怪異とは現実にはありえないようなものの総称。怪異の多くは人間に敵対的あるいは害のある存在である。
妖怪のような異形の生物や、ある特定の地域でのみ観測される怪奇現象など、怪異のあり方は様々だが、いずれの怪異も何らかの核を持つ。亜人型の怪異であれば心臓、現象型の怪異であれば最もその怪異に関わり深い物等であることが多い。核を破壊することにより怪異は消滅する。
強大な怪異は世界の裏側に異界を発現させることがある。異界は現実とは異なる位相に存在しており、異界に入り込む術がない限り、現実における発生地点に向かっても異界に入ることはできない。
人間は通常異界に取り込まれることはないが、捕食等を目的とした怪異は異界に人間を引きずり込む力を持っている他、呪術への適合性の高い人間は意図せず異界に紛れ込んでしまうことがある。
異界の規模は廃病院や祠周辺など、ある一つの施設程度であることがほとんどで、大規模なものでも半径1km程度に留まる。今回のように市がまるごと取り込まれるような異界は過去に類を見ない。
異界は異界を発生させている怪異を祓い、儀式を行うことによって消滅させることができる。
異界の探索は通常であれば1回で終わる。今回の異界は非常に規模が大きいため、徐々に探索が進められている。探索を行っていない間は異界から出て表世界で過ごすこともできる。
異界に取り込まれた人間は、世界の修正力によって元からいなかったかのように人々の記憶や記録から消えていく。生存している場合は異界から救助することで人々の記憶や記録は元に戻る。その際、異界に取り込まれていた期間は何事もなく過ごしていたかのように扱われる。
退魔師たちは世界の修正力に対抗する術を持っているため異界に取り込まれた他者の記憶や記録を失うことはなく、異界に入った場合においても人々から忘れ去られるということはない。
上記の性質のため、怪異対抗組織は人々の記録を監視し、記録の消失が確認された場合は調査を行うというプロセスにより異界を発見することが多い。